- 歌の意味
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山の近くに住まいを構えているので、ほととぎすの鳴く初音を、私だけが聞くことだ。
- 鑑賞
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夏歌 143
詞書「山家郭公」
山の近くに住んでいるからこそ、ほととぎすの初音を誰よりも先に自分だけが聞けると詠んだ歌である。山里住まいならではの喜びと、わずかな誇らしさが込められている。
賀茂真淵はこの歌に合点を付している。類従本と定家所伝本では二句に異同があり、定家所伝本は四句を「なく初声は」とする。
初句「山近く」は、住まいが山に近いことを示し、題の「山家」を表す。
二句「家居しをれば」の「家居」は住まいを構えて住むこと、「ば」は已然形に付いて原因を表す。
三句「時鳥」は、山から最初に聞こえてくる鳥として据えられている。
四句「鳴く初声を」の「初声」は、前の第百四十一首の初句と同じ語で、待郭公の一連で待ち望まれた初音を、本歌ではついに聞くことができている。
結句「我のみぞ聞く」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「聞く」で結び、自分だけが聞くという喜びを強調する。
いへゐ:住まい、家を構えて住むこと
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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夏衣たちし時よりあしひきの 山郭公鳴かぬ日ぞなき
- 次の歌
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夕闇のたづたづしきに郭公 声うら悲し道やまどへる