- 歌の意味
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夕闇でおぼつかなく心細いなかで、ほととぎすの声がもの悲しく聞こえる。道に迷っているのだろうか。
- 鑑賞
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夏歌 144
詞書「夕郭公」
夕闇の中で聞くほととぎすの声のもの悲しさを、道に迷っているからだろうかと思いやった歌である。暗さの中の心細さを鳥の身に重ね合わせ、声の哀れさを際立たせている。
「夕闇のたづたづし」という言い方は、『万葉集』の「夕闇は道たづたづし月待ちて行かせ我が背子その間にも見む」に先例がある。定家所伝本では二句を「たどたどしきに」とする。
初句「夕闇の」は、日が暮れて月の出る前の暗さをいい、題の「夕」を表す。
二句「たづたづしきに」は、はっきりせず心もとないさまをいい、万葉集の語を用いている。
三句「郭公」は、暗がりの中で声だけが聞こえるほととぎすを据える。
四句「声うら悲し」の「うら」は心の意で、心からもの悲しいと言い切り、ここで句切れとなる。
結句「道やまどへる」の「や」は疑問の係助詞で、存続の「り」の連体形「る」で結ぶ。鳥が道に迷っているのかと推し量っている。
ゆふやみ:日が暮れて月の出る前の暗さ
まどふ:道に迷う、途方にくれる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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山近く家居しをれば時鳥 鳴く初声を我のみぞ聞く
- 次の歌
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五月闇おぼつかなきにほととぎす 深き峰より鳴きて出づなり