- 歌の意味
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五月闇の神奈備山のほととぎすは、妻を恋い慕っているらしい。鳴く声の悲しいことよ。
- 鑑賞
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夏歌 146
詞書は前の歌に続き「深夜郭公」
五月闇の神奈備山で鳴くほととぎすの声を、妻を恋い慕って鳴いているのだろうと聞きなした歌である。万葉風の素朴な調べで、鳥の声に恋の悲しみを重ねている。
なお参照した底本の本文では結句に読み取れない字があり、定家所伝本の「なくねかなしも」によって補った。
初句「五月闇」は前歌の第百四十五首と同じ初句で、「深夜郭公」の一連を続けている。
二句「神奈備山の」は、神の鎮座する山の意で、大和の三輪山や竜田の山などを指す歌枕である。次歌の第百四十七首にも「神奈備山」が詠まれ、二首が同じ山を舞台に対をなしている。
三句「時鳥」は、鳴き声の主として据えられる。
四句「妻恋ひすらし」の「らし」は根拠のある推定で、声の悲しさを根拠に妻を恋うていると推し量り、ここで句切れとなる。次歌の「おのが妻呼ぶ」と、妻を恋うほととぎすの趣向が共通している。
結句「鳴く音悲しも」の「も」は詠嘆の終助詞で、万葉調の結びである。
かむなびやま:神の鎮座する山。大和の三輪山や竜田の山などをいう
つまごひ:配偶者を恋い慕うこと
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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五月闇おぼつかなきにほととぎす 深き峰より鳴きて出づなり
- 次の歌
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五月闇小夜更けぬらし時鳥 神奈備山におのが妻呼ぶ