- 歌の意味
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ほととぎすの鳴く声もかいのないことだ。五月闇のなか雨が降り続いて、聞く人もいないので。
- 鑑賞
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夏歌 148
詞書「雨いたく降れる夜ひとり時鳥を」
激しい雨の夜にひとりでほととぎすの声を聞いて詠んだ歌である。五月闇に雨が降り続き、誰も聞く人がいないので、せっかくの鳴き声もかいがないと嘆きつつ、ひとりその声を聞いている作者の孤独が浮かび上がる。
類従本では詞書を「雨いたく降れる宵より郭公を聞きてよめる」とし、四句を「聞く人なしに」とする。賀茂真淵は四句について、万葉集の今本に「なしみ」とあるのは誤りであるのに正さなかったもので、「聞く人なしに」とあるべきだと評している。
初句「郭公」は、声の主を初めに示す。
二句「鳴く声あやな」の「あやな」は、かいがない、筋が通らないの意で、ここで句切れとなる。『古今和歌集』の凡河内躬恒の「春の夜の闇はあやなし」のように、闇とともに用いられる語である。
三句「五月闇」は本巻の第百四十五首から続く「五月闇」の語を受け、暗さの中の声を詠む。
四句「聞く人なしみ」は、聞く人がいないのでの意で、形容詞の語幹に「み」が付いて理由を表す。
結句「雨は降りつつ」の「つつ」は継続を表し、雨が降り続くさまで余情を残して結ぶ。
さつきやみ:梅雨のころの夜の暗さ
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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五月闇小夜更けぬらし時鳥 神奈備山におのが妻呼ぶ
- 次の歌
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あしひきの山郭公木隠れて 目にこそ見えね音のさやけさ