あしひきの山郭公木隠れて
目にこそ見えね音のさやけさ
- 歌の意味
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山ほととぎすは木の陰に隠れていて目には見えないけれど、その鳴く声のなんと澄んでいることか。
- 鑑賞
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夏歌 149
詞書「郭公」
木陰に隠れて姿の見えない山ほととぎすの、声の澄みきった美しさを詠んだ歌である。見えない姿と聞こえる声とを対比させ、声だけで存在を伝えるほととぎすの魅力を捉えている。
類従本では詞書を「ほととぎすの歌」とする。目には見えず音によって知るという組み立ては、『古今和歌集』の藤原敏行の「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」にも通じる。
初句「あしひきの」は「山」にかかる枕詞である。次歌の第百五十首も同じ「あしひきの山郭公」で始まり、二首が並んでいる。
二句「山郭公」は、山にいるほととぎすをいう。
三句「木隠れて」は、木の陰に隠れての意で、姿が見えない理由を示す。
四句「目にこそ見えね」は、係助詞「こそ」を受けて已然形「ね」で結び、逆接で下へ続く。目には見えないけれどの意となる。
結句「音のさやけさ」は、形容詞「さやけし」の名詞形で結ぶ体言止めで、声の澄んだ美しさへの感動を表す。次歌では月の光の中に出て鳴くほととぎすが詠まれ、隠れる鳥と姿を現す鳥とが対をなしている。
こがくる:木の陰に隠れる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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郭公鳴く声あやな五月闇 聞く人なしみ雨は降りつつ
- 次の歌
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あしひきの山郭公深山出でて 夜深き月の影に鳴くなり