葛城や高間の山のほととぎす
雲居のよそに鳴きわたるなり
- 歌の意味
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葛城の高間の山のほととぎすが、はるかな雲のかなたを鳴きながら渡ってゆくようだ。
- 鑑賞
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夏歌 155
詞書は前の歌に続き「郭公」
大和と河内の境にそびえる葛城の高間山のほととぎすが、はるか雲のかなたを鳴き渡ってゆくのを詠んだ歌である。高くそびえる山と雲の上を渡る声とによって、雄大な空間を描き出している。
賀茂真淵は四句を作者の後の時期の詠みぶりであると評している。「葛城や高間の山」と雲を取り合わせる例は、『新古今和歌集』のよみ人しらずの「よそにのみ見てややみなむ葛城や高間の山の峰の白雲」に見える。なお参照した底本の本文では初句の末に読み取れない字があり、定家所伝本の「かつらきや」によって補った。
初句「葛城や」の「や」は詠嘆の間投助詞で、地名を呼びかけるように示す。
二句「高間の山の」は、葛城山系の主峰で今の金剛山にあたる山をいう。前歌の「巻向の檜原」に続いて、大和の歌枕が並んでいる。
三句「ほととぎす」は、高い山に棲む鳥として据えられる。
四句「雲居のよそに」は、はるかな雲のかなたにの意で、前歌の「雲のかかれる」峰から、さらに雲の上の空へと視線が高まっている。
結句「鳴きわたるなり」の「わたる」は空を移動してゆくことで、「なり」は音による推定である。
かつらぎ:大和と河内の境にある山地
たかまのやま:葛城山系の主峰。今の金剛山
くもゐ:雲のある所、はるかな空
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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五月雨の雲のかかれる巻向の 檜原が峰に鳴く郭公
- 次の歌
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玉くしげ箱根の山の郭公 向かふの里に朝な朝な鳴く