五月雨は心あらなむ雲間より
出で来る月を待てば苦しも
- 歌の意味
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五月雨よ、情けがあってほしい。雲の切れ間から出てくる月を待っていると、つらいのだから。
- 鑑賞
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夏歌 164
詞書「五月雨」
降り続く五月雨に、思いやりの心を持ってほしいと呼びかけた歌である。雲の切れ間から月が出るのを待ちわびる苦しさを訴え、長雨に閉ざされた夏の夜の切なさを詠んでいる。
底本の注記によれば、類従本と定家所伝本は結句の字句が異なる。参照した底本の本文では結句に読み取れない字があるため、定家所伝本の「まてはくるしも」によって補った。
初句「五月雨は」は、雨を人のように見立てて呼びかける。
二句「心あらなむ」の「なむ」は他に対する願望の終助詞で、情けがあってほしいの意となり、ここで句切れとなる。
三句「雲間より」は、雲の切れ間からの意である。
四句「出で来る月を」は、雲間から姿を見せる月をいう。
結句「待てば苦しも」の「も」は詠嘆の終助詞で、待つことのつらさを嘆いて結ぶ。本巻の第百三十九首から続く「待つ」心が、ここでは鳥ではなく月を待つ心として詠まれている。
くもま:雲の切れ間
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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五月雨に水まさるらむあやめ草 うれ葉隠れて刈る人もなし
- 次の歌
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五月山おぼつかなきを夕月夜 木隠れてのみ鹿や待つらむ