小夜更けて蓮の浮き葉の露の上に
玉と見るまでやどる月影
- 歌の意味
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夜が更けて、蓮の浮き葉に置いた露の上に、玉かと見えるほどに月の光が宿っている。
- 鑑賞
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夏歌 167
詞書「蓮露似玉」
夜更けに、蓮の浮き葉に置いた露に月の光が映り、まるで玉のように輝くさまを詠んだ歌である。題の「露が玉に似る」を、月光を宿すことで玉と見えると工夫して詠み、清らかな夏の夜の美しさを描いている。
蓮の葉の露を玉に見立てる趣向は、『古今和歌集』の僧正遍昭の「はちす葉のにごりにしまぬ心もて何かは露を玉とあざむく」に先例がある。
初句「小夜更けて」の「小夜」は夜のことで、「さ」は接頭語である。本巻の第百四十七首の「小夜更けぬらし」と同じく、夜の深まりを示す。
二句「蓮の浮き葉の」は、水面に浮かぶ蓮の葉をいう。
三句「露の上に」は、浮き葉に置いた露の上にの意である。
四句「玉と見るまで」は、玉かと見えるほどにの意で、題の「似玉」を表す。
結句「やどる月影」は体言止めで、露に映る月の光を最後に示す。本巻の第百五十首では月の光の中で鳥が鳴いたが、本歌では月の光が露の一粒に宿り、同じ月影を広大な夜空と小さな露とで詠み分けている。
うきは:水面に浮かぶ葉
やどる:映る、とどまる
つきかげ:月の光
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
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ゆかしくば行きても見ませゆき島の 巌に生ふる撫子の花
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岩くぐる水にや秋のたつた川 川風涼し夏の夕暮