- 歌の意味
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泉川のほとり、柞の森で鳴く蝉の声が澄んで聞こえるのは、夏が深まったからだろうか。
- 鑑賞
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夏歌 171
詞書は前の歌に続き「蛍火乱飛秋已近といふ事を」
泉川のほとりの柞の森で鳴く蝉の声が澄んで聞こえるのを、夏が深まったためだろうかと感じ取った歌である。川の名「泉」と声の「澄める」とが響き合い、深まる夏の清らかな静けさを描いている。
類従本ではこの歌を「一本及印本所載歌」の部に収める。なお参照した底本の本文では結句の末に読み取れない字があり、字数と語の続きから「夏のふかさか」と解したが、確かではない。
初句「泉川」は、山城国を流れる木津川の古名で、歌枕である。
二句「柞の森に」は、泉川のほとりにあった森で、柞はコナラなどの総称である。
三句「鳴く蟬の」は、前歌の第百七十首の「鳴くなる蟬の」と同じく蝉の声を詠み、二首が並んでいる。
四句「声の澄めるは」の「澄める」は、初句の「泉川」の清らかな水と響き合う縁語的な語である。
結句「夏の深さか」の「か」は疑問で、声の澄む理由を夏の深まりに求めている。次歌の第百七十二首も「夏深み」と詠み起こし、夏の深まりを詠む歌が続いている。
いづみがは:山城国を流れる木津川の古名
ははそ:コナラなどの総称
ははそのもり:山城国の泉川のほとりにあった森
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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夏山に鳴くなる蟬の木隠れて 秋近しとや声も惜しまむ
- 次の歌
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夏深み思ひもかけぬうたた寝の 夜の衣に秋風ぞ吹く