- 歌の意味
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夏が深まったので、思いもかけないことに、うたた寝をしている夜の衣に秋風が吹いてくる。
- 鑑賞
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夏歌 172
詞書「夜風涼衣」
夏が深まり、うたた寝をしている夜の衣に思いがけず秋風が吹いてきたことを詠んだ歌である。まだ夏だと思っていたところに秋の気配を肌で感じた驚きを描いている。
類従本では詞書を「夜風冷衣と云ふ事を」とする。
初句「夏深み」は、夏が深まったのでの意で、形容詞の語幹に「み」が付いて理由を表す。前歌の第百七十一首の「夏の深さ」を受けている。
二句「思ひもかけぬ」は、思いもかけないの意で、秋風の訪れの意外さを示す。
三句「うたた寝の」は、本巻の第百六十一首の初句と同じ語である。
四句「夜の衣に」も第百六十一首の二句と同じ句で、そこでは橘の香りが届いた夜の衣に、本歌では秋風が吹いており、夏の香りと秋の風とが同じ夜の衣に寄せられる対応となっている。
結句「秋風ぞ吹く」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「吹く」で結び、題の「夜風涼衣」を表す。
よるのころも:夜に着る衣、寝間着
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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泉川柞の森に鳴く蟬の 声の澄めるは夏の深さか
- 次の歌
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秋近くなるしるしにや玉すだれ 小簾の間通し風ぞ涼しき