- 歌の意味
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夏はただ今宵限りだと思いながら寝た、その夢の中の道に、秋の初風が涼しく吹いている。
- 鑑賞
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夏歌 174
詞書「夏の暮によめる」
夏の終わりの夜、夏も今宵限りと思いながら眠りについたところ、夢の中にまで秋の初風が涼しく吹いてきたと詠んだ歌である。夏を惜しむ心と、早くも訪れる秋の気配とを、夢という場で重ね合わせている。
賀茂真淵は、「思ひ寝」は古語ではなくこの言い方はよくない、「夢路に涼し」もその工夫がふさわしくないと評している。
初句「夏はただ」は、夏はもうただの意で、夏の終わりを惜しむ思いを示す。
二句「今宵ばかりと」は、今夜限りだとの意で、夏の最後の夜であることを示す。
三句「思ひ寝の」は、思いながら寝ることをいい、夏の終わりを思いつつ眠る作者の姿を示す。
四句「夢路に涼し」は、夢の中の道に涼しいと言い切り、ここで句切れとなる。本巻の第百七十二首のうたた寝の夜の衣に吹いた秋風が、本歌ではさらに眠りの奥の夢にまで及んでいる。
結句「秋の初風」は体言止めで、秋の訪れを告げる最初の風を最後に示す。
おもひね:物を思いながら寝ること
ゆめぢ:夢の中で通う道、夢
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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秋近くなるしるしにや玉すだれ 小簾の間通し風ぞ涼しき
- 次の歌
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昨日まで花の散るをぞ惜しみこし 夢か現か夏も暮れにけり