秋ははや来にけるものをおほかたの
野にも山にも露ぞ置くなる
- 歌の意味
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秋はもう来てしまったのだなあ。あたり一帯の野にも山にも、露が置いているようだ。
- 鑑賞
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秋歌 187
詞書「白露」
秋がもう来てしまったことを、あたり一帯の野にも山にも露が置いていることから感じ取った歌である。白露という題を、野山全体に広がる景として大きく捉えている。
なお参照した底本の本文では二句の頭に欠字があり、定家所伝本の「きにけるものを」によって補った。
初句「秋ははや」は、秋はもう早くもの意である。
二句「来にけるものを」の「ものを」は詠嘆を込めた接続助詞で、秋がもう来てしまったのだなあという感慨を表す。前の歌々の「秋は来にけり」を受けている。
三句「おほかたの」は、あたり一帯の、すべてのの意である。
四句「野にも山にも」は、野と山とを並べて、露の置く範囲の広さを示す。前歌の第百八十六首では萩の葉の露を秋が訪ねたのに対し、本歌では野山全体の露を詠み、同じ露を小と大の尺度で詠み分けている。
結句「露ぞ置くなる」は、係助詞「ぞ」を受けて推定の助動詞「なり」の連体形「なる」で結ぶ。
おほかた:あたり一帯、全体
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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住む人もなき宿なれど萩の葉の 露を尋ねて秋は来にけり
- 次の歌
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今よりは涼しくなりぬひぐらしの 鳴く山陰の秋の夕風