天の川水泡逆巻き行く水の
はやくも秋の立ちにけるかな
- 歌の意味
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天の川で水の泡を逆巻かせて流れてゆく水が速いように、早くも秋が立ったことだなあ。
- 鑑賞
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秋歌 192
詞書「秋のはじめによめる」
秋の初めに、天の川の水が泡を逆巻かせて速く流れるさまを思い描き、その「はやく」から、早くも秋が立ったことへの感慨へと転じた歌である。七夕を控えた初秋の夜空を、激しく流れる川として大きく捉えている。
初句「天の川」は、夜空の銀河を川に見立てた語で、初秋の七夕の歌の始まりを告げる。次歌の第百九十三首から天の川と七夕の歌が続く。
二句「水泡逆巻き」は、水の泡を逆巻かせての意で、字余りとなる。
三句「行く水の」までは序詞で、流れの速さから次の「はやく」を導く。
四句「はやくも秋の」の「はやく」は、水の流れの速い意と、時期の早い意を掛けた掛詞である。
結句「立ちにけるかな」の「立ち」は秋が始まる意で、「けるかな」は気づきの詠嘆を表す。巻頭からの「秋は来にけり」の類の句を、本歌では「秋の立ちにける」と言い換えている。
みなわ:水の泡
さかまく:水が逆らうように巻き返して流れる
はやく:水の流れの速い意と、時期の早い意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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ひとり行く袖より置くか奥山の 苔のとぼその道の夕露
- 次の歌
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久方の天の河原をうち眺め いつかと待ちし秋も来にけり