久方の天の河原をうち眺め
いつかと待ちし秋も来にけり
- 歌の意味
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天の河原を眺めやりながら、いつ来るかと待っていた秋も、ついにやって来たことだ。
- 鑑賞
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秋歌 193
詞書は前の歌に続き「秋のはじめによめる」
夜空の天の河原を眺めながら、いつ来るかと待ち望んでいた秋がついにやって来たと詠んだ歌である。牽牛と織女が逢う七夕の秋を待ちわびる心が、天の河原を眺める姿に込められている。
なお参照した底本の本文では二句に欠字があり、字数から「の」を補って「あまの河原を」と解した。
初句「久方の」は「天」にかかる枕詞である。
二句「天の河原を」は、天の川の河原をいい、牽牛と織女が逢う場とされる。次歌の第百九十四首にも同じ「天の河原」が詠まれ、本巻の第百九十九首、第二百一首にも繰り返される。
三句「うち眺め」の「うち」は接頭語で、じっと眺めやっての意となる。
四句「いつかと待ちし」は、いつ来るかと待っていたの意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
結句「秋も来にけり」の「も」は、待ち望んだ秋もついにの意を添える。巻頭からの「秋は来にけり」の句を、本歌では「秋も来にけり」として受けている。
ひさかたの:「天」「月」「空」などにかかる枕詞
あまのかはら:天の川の河原
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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天の川水泡逆巻き行く水の はやくも秋の立ちにけるかな
- 次の歌
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彦星の行き合ひを待つ久方の 天の河原に秋風ぞ吹く