夕されば秋風涼したなばたの
天の羽衣たちやかふらむ
- 歌の意味
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夕方になると秋風が涼しい。織女は天の羽衣を、新しく裁ち替えているのだろうか。
- 鑑賞
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秋歌 195
詞書は前の歌に続き「秋のはじめによめる」
夕方になって秋風が涼しく吹くと、織女も天の羽衣を秋の衣に裁ち替えているのだろうかと思いやった歌である。地上の衣替えの感覚を天上の織女に重ね、七夕を前にした織女の装いを想像している。
なお参照した底本の本文では四句と結句に欠字があり、定家所伝本の「あまのはころも」「たちやかふらむ」によって補った。
初句「夕されば」は本巻の第百八十二首と同じ初句で、夕べの景を詠み起こす。
二句「秋風涼し」で句切れとなる。第百八十二首の「衣手涼し」が秋の初風を袖で感じたのに対し、本歌では涼しさから天上の衣へと思いを馳せている。
三句「たなばたの」は織女星をいう。機を織る女とされ、衣の縁で次の「羽衣」へと続く。
四句「天の羽衣」は、天人の着る薄く軽い衣をいう。
結句「たちやかふらむ」は、衣を裁って新しく替える意で、「や」は疑問の係助詞、現在推量の「らむ」の連体形で結ぶ。
たなばた:織女星。機を織る女とされる
あまのはごろも:天人の着る薄く軽い衣
たちかふ:衣を裁って新しく作り替える
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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彦星の行き合ひを待つ久方の 天の河原に秋風ぞ吹く
- 次の歌
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天の川霧立ちわたる彦星の 妻迎へ舟はやも漕がなむ