- 歌の意味
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天の川に霧が一面に立ちこめている。彦星の、妻を迎えに行く舟よ、早く漕いでほしい。
- 鑑賞
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秋歌 196
詞書「七夕」
七夕の夜、天の川に霧が立ちこめるなか、彦星が織女を迎えに行く舟を早く漕ぎ出してほしいと願った歌である。年に一度の逢瀬を待ちかねる二星の思いを、地上から見守るように詠んでいる。
上句は『万葉集』の「天の川霧立ちわたる彦星の楫の音聞こゆ夜の更けゆけば」の上句と同じであり、万葉の七夕歌を踏まえている。なお参照した底本の本文では初句に欠字があり、定家所伝本の「あまのかは」によって補った。
初句「天の川」は本巻の第百九十二首と同じ初句で、七夕の題の歌を詠み起こす。
二句「霧立ちわたる」は、霧が一面に立ちこめるの意で、ここで句切れとなる。
三句「彦星の」は、本巻の第百九十四首で逢瀬を待っていた彦星が、本歌ではいよいよ迎えに行こうとしている。
四句「妻迎へ舟」は、妻である織女を迎えに行く舟をいう。
結句「はやも漕がなむ」の「なむ」は他に対する願望の終助詞で、早く漕いでほしいと願う。
つまむかへぶね:妻を迎えに行く舟
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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夕されば秋風涼したなばたの 天の羽衣たちやかふらむ
- 次の歌
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恋ひ恋ひて稀に逢ふ夜の天の川 川瀬の鶴は鳴かずもあらなむ