- 歌の意味
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七夕の二星の別れを惜しんで、天の川の安の渡し場で、鶴も鳴いてほしい。
- 鑑賞
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秋歌 198
詞書は前の歌に続き「七夕」
七夕の夜が明けて二星が別れるとき、その別れを惜しんで、天の川の安の渡りで鶴も鳴いてほしいと願った歌である。別れの悲しみに、鶴の声を添えて共に嘆いてほしいという心が込められている。
賀茂真淵は、『万葉集』では「七夕」と書いて七日の夜を詠んだのがよく、後に「たなばた」という語に「七夕」の字を当てるのは誤りであると評している。なお参照した底本の本文では四句に欠字があり、定家所伝本の「やすのわたりに」によって補った。
初句「七夕の」は、ここでは七夕の二星、牽牛と織女をいう。
二句「別れを惜しみ」は、逢瀬の後の別れを惜しんでの意である。本巻の第百九十六首が逢瀬への迎えを、本歌が別れを詠み、七夕の夜の始まりと終わりとが並べられている。
三句「天の川」は前歌の第百九十七首の三句と同じ語である。
四句「安の渡りに」は、天の安の河の渡し場をいい、神話で神々が集う天上の川である。
結句「鶴も鳴かなむ」の「なむ」は他に対する願望で、鶴も鳴いてほしいと願う。前歌では鶴が鳴かないことを願ったのに対し、本歌では鳴くことを願い、二首で反転した構図をなしている。
やすのわたり:天の安の河の渡し場
たづ:鶴
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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恋ひ恋ひて稀に逢ふ夜の天の川 川瀬の鶴は鳴かずもあらなむ
- 次の歌
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今はしも別れもすらし棚機の 天の河原に鶴ぞ鳴くなる