秋萩の下葉もいまだうつろはぬに
今朝吹く風は袂寒しも
- 歌の意味
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秋萩の下葉もまだ色づいていないのに、今朝吹く風は袂に寒く感じられることだ。
- 鑑賞
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秋歌 204
詞書「萩をよめる」
秋萩の下葉さえまだ色づいていないのに、今朝吹く風はもう袂に寒く感じられると詠んだ歌である。目に見える草木の変化よりも先に、肌が秋の深まりを感じ取ったことへの驚きが込められている。
底本の注記によれば、原本では三句の「に」が脱落しており、校訂者が一本によって補ったもので、ここではその改訂に従う。
初句「秋萩の」は、秋に花を咲かせる萩をいう。本歌から萩の歌が続き、本巻の第二百十二首まで萩が詠まれる。
二句「下葉もいまだ」の「下葉」は、草木の下の方の葉で、最初に色づくものとされる。
三句「うつろはぬに」は、色が変わらないのにの意で、字余りとなる。
四句「今朝吹く風は」は、今朝吹いてくる風はの意である。
結句「袂寒しも」の「も」は詠嘆の終助詞で、袂に寒さを覚えると結ぶ。本巻の第三百八首は同じ「秋萩の下葉」が長月の風の寒さに色あせたと詠み、まだ色づかない下葉とすでに色あせた下葉とが、秋の初めと終わりとで呼応している。
したば:草木の下の方の葉
うつろふ:色が変わる、色づく、色あせる
たもと:袖、また袖の下の垂れた部分
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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野辺に出でてそぼちにけりな唐衣 着つつ分けゆく花の雫に
- 次の歌
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見る人もなくて散りにき時雨のみ ふりにし里の秋萩の花