花に置く露をしづけみ白菅の
真野の萩原しをれあひにけり
- 歌の意味
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花に置く露がしっとりと重く置いているので、真野の萩原の萩は、みな一様にしおれ伏してしまった。
- 鑑賞
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秋歌 206
詞書は前の歌に続き「萩をよめる」
萩の花に置く露が重く静かに置いているために、真野の萩原の萩がみな一様にしおれ伏してしまったと詠んだ歌である。露の重みにたわむ萩の群れを、万葉の歌枕を用いて描いている。
「白菅の真野の萩原」は、『万葉集』の「白菅の真野の榛原」の句を思わせ、万葉の地名を萩の名所として詠んでいる。底本の注記によれば、二句は原本では字句が異なり、校訂者が一本によって改めたもので、ここではその改訂に従う。定家所伝本では結句を「しをれあひけり」とする。
初句「花に置く」は、萩の花に置くの意である。
二句「露をしづけみ」は、露がしっとりと静かに置いているのでの意で、形容詞「しづけし」の語幹に「み」が付いて原因や理由を表す。
三句「白菅の」は「真野」にかかる枕詞である。
四句「真野の萩原」は、萩の群がり生えた真野の野をいう。
結句「しをれあひにけり」は、そろってしおれてしまったの意で、字余りとなる。「けり」は気づきの詠嘆である。前歌の第二百五首で散った萩の花に対し、本歌では露の重みにしおれる萩を詠み、萩のさまざまな姿を並べている。
しらすげの:「真野」にかかる枕詞
まの:地名。摂津国とも近江国ともされる
はぎはら:萩の群がり生えた野原
しをる:草木がしおれる、たわむ
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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見る人もなくて散りにき時雨のみ ふりにし里の秋萩の花
- 次の歌
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秋風はいたくな吹きそわが宿の もとあらの小萩散らまくも惜し