故郷のもとあらの小萩いたづらに
見る人なしみ咲きか散るらむ
- 歌の意味
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古里の、根元のまばらな小萩は、見る人もいないので、むなしく咲いては散っているのだろうか。
- 鑑賞
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秋歌 208
詞書「故郷萩」
人の住まなくなった古里で、根元のまばらな小萩が、見る人もないままむなしく咲いては散っているのだろうかと思いやった歌である。遠く離れた古里の萩を思い描き、顧みられない花のはかなさを詠んでいる。
この歌は『新勅撰和歌集』に入集している。類従本と定家所伝本では下句の字句がやや異なる。賀茂真淵は下句について、「見る人なしに」とあるべきで、「なしみ」はよくないと評している。
初句「故郷の」は、古くから人が住み、今は荒れた里をいう。
二句「もとあらの小萩」は前歌の第二百七首の四句と同じ句で、前歌のわが宿の萩に対し、本歌では古里の萩を詠む。
三句「いたづらに」は、むなしく、かいもなくの意である。
四句「見る人なしみ」は、見る人がいないのでの意で、形容詞の語幹に「み」が付いて原因や理由を表す。本巻の第二百五首の初句「見る人も」と同じく、顧みる人のない萩を詠んでいる。
結句「咲きか散るらむ」の「か」は疑問の係助詞で、現在推量の「らむ」の連体形で結ぶ。
ふるさと:古くから人が住み、今は荒れた里
もとあら:草木の根元の葉がまばらなこと
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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秋風はいたくな吹きそわが宿の もとあらの小萩散らまくも惜し
- 次の歌
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道の辺の小野の夕霧たちかへり 見てこそ行かめ秋萩の花