道の辺の小野の夕霧たちかへり
見てこそ行かめ秋萩の花
- 歌の意味
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道のほとりの野に夕霧が立つように、引き返してでも、よく見てから行こう。この秋萩の花を。
- 鑑賞
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秋歌 209
詞書「路頭萩」
道ばたの野に夕霧が立ちこめるなか、通り過ぎかけた秋萩の花を、引き返してでもよく見てから行こうと詠んだ歌である。旅の途中で見かけた萩の美しさに心ひかれ、立ち去りがたい思いを素直に表している。
この歌は『新勅撰和歌集』に入集している。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「道の辺の」は、道のほとりのの意で、題の「路頭」を表す。
二句「小野の夕霧」の「小野」は野のことで、「を」は接頭語である。ここまでが、霧が「立つ」ことから次の「たちかへり」を導く序詞となる。
三句「たちかへり」は、夕霧が立つ意と、引き返す意を掛けた掛詞である。
四句「見てこそ行かめ」は、係助詞「こそ」を受けて意志の「む」の已然形「め」で結び、ここで句切れとなる。
結句「秋萩の花」は体言止めで、倒置によって見る対象を最後に示す。前歌の第二百八首で見る人のなかった萩に対し、本歌では引き返してでも見ようとする人を詠み、見られない花と見られる花とが対をなしている。
をの:野。「を」は接頭語
たちかへる:夕霧が立つ意と、引き返す意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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故郷のもとあらの小萩いたづらに 見る人なしみ咲きか散るらむ
- 次の歌
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萩の花くれぐれまでもありつるが 月出でて見るになきは悲しき