朝ぼらけ萩の上吹く秋風に
下葉押しなみ露ぞこぼるる
- 歌の意味
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ほのぼのと夜が明けるころ、萩の上を吹く秋風に下葉が押し伏せられて、露がこぼれ落ちる。
- 鑑賞
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秋歌 211
詞書「曙に庭の萩を見て」
夜明け方に庭の萩を見ると、萩の上を吹く秋風に下葉まで押しなびかされ、置いていた露がこぼれ落ちたことを詠んだ歌である。風と萩と露とが一瞬のうちに動くさまを、鮮やかな景として捉えている。
類従本と定家所伝本では「萩」を「荻」とする。
初句「朝ぼらけ」は、夜がほのぼのと明けるころをいい、詞書の「曙」を表す。前歌の第二百十首が月の出た夜の萩を詠んだのに対し、本歌は明け方の萩を詠み、夜と朝とで対をなしている。
二句「萩の上吹く」は、萩の上を吹き渡るの意である。
三句「秋風に」は、秋風を受けての意である。
四句「下葉押しなみ」は、下葉まで押し伏せての意で、本巻の第二百四首では色づかない「下葉」を詠んだのに対し、本歌では風に押される下葉を詠む。
結句「露ぞこぼるる」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「こぼるる」で結ぶ。本巻の第二百五十七首の結句も同じ「露ぞこぼるる」である。
あさぼらけ:夜がほのぼのと明けるころ
おしなむ:押してなびかせる、押し伏せる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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萩の花くれぐれまでもありつるが 月出でて見るになきは悲しき
- 次の歌
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たそがれに物思ひをればわが宿の 萩の葉そよぎ秋風ぞ吹く