たそがれに物思ひをればわが宿の
萩の葉そよぎ秋風ぞ吹く
- 歌の意味
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夕暮れにもの思いにふけっていると、わが家の萩の葉がそよいで、秋風が吹いてくる。
- 鑑賞
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秋歌 212
詞書「夕べの心をよめる」
夕暮れにもの思いにふけっていると、自邸の萩の葉がさやさやとそよいで秋風が吹いてきたと詠んだ歌である。物思う心に寄り添うように吹く秋風を、萩の葉の音によって捉えている。
この歌は『玉葉和歌集』に入集している。類従本、定家所伝本、玉葉集では四句の「萩」を「荻」とする。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「たそがれに」は夕暮れ時にの意で、詞書の「夕べ」を表す。
二句「物思ひをれば」は字余りで、もの思いにふけっているとの意である。
三句「わが宿の」は、自分の家のの意で、本巻の第二百七首と同じく自邸の萩を詠む。
四句「萩の葉そよぎ」は、萩の葉がさやさやと音を立ててそよぐの意で、前歌の第二百十一首の風に押される萩の下葉に続き、本歌では夕べの風にそよぐ萩の葉を詠む。
結句「秋風ぞ吹く」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「吹く」で結ぶ。本巻の第百九十四首と同じ結句である。
たそがれ:夕暮れ
そよぐ:葉などが風に揺れてさやさやと音を立てる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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朝ぼらけ萩の上吹く秋風に 下葉押しなみ露ぞこぼるる
- 次の歌
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我のみやわびしとは思ふ花薄 ほに出づる宿の秋の夕暮