秋風はあやなな吹きそ白露の
あだなる野辺の葛の葉の上に
- 歌の意味
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秋風よ、むやみに吹かないでくれ。白露がはかなく置いている野辺の、葛の葉の上に。
- 鑑賞
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秋歌 219
詞書は前の歌に続き「葛」
白露がもろく置いている野辺の葛の葉の上に、秋風よむやみに吹かないでくれと呼びかけた歌である。前歌で風のやまないうちに消える露を嘆いたのを受け、その露を散らす風を引きとめようとしている。
類従本と定家所伝本では二句に異同がある。賀茂真淵はこの歌に合点を付している。なお参照した底本の本文では二句に欠字があり、定家所伝本の「あやななふきそ」によって補った。
初句「秋風は」は、秋風を人のように見立てて呼びかける。本巻の第二百七首と同じ初句である。
二句「あやなな吹きそ」の「あやな」は、むやみに、わけもなくの意で、「な…そ」の形で禁止を表し、ここで句切れとなる。第二百七首の「いたくな吹きそ」と同じく、風に吹くなと願っている。
三句「白露の」は、前歌の第二百十八首の初句と同じ語で、葛の葉に置く露を受けている。
四句「あだなる野辺の」は、露がはかなく置く野辺のの意で、前歌の「あだにも置くか」を受けている。
結句「葛の葉の上に」は字余りで、倒置によって風に吹いてほしくない場所を最後に示す。前歌が露の消えるさまを、本歌がその露を守ろうとする心を詠み、二首が対をなしている。
くずのは:葛の葉。風に裏返りやすく、白い葉裏を見せる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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白露のあだにも置くか葛の葉に たまれば消えぬ風絶えぬ間に
- 次の歌
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風を待つ草の葉に置く露よりも あだなるものは朝顔の花