風を待つ草の葉に置く露よりも
あだなるものは朝顔の花
- 歌の意味
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吹き散らす風を待つばかりの草の葉に置く露よりも、もっとはかないものは朝顔の花である。
- 鑑賞
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秋歌 220
詞書「槿」
風が吹けばすぐに散ってしまう草葉の露よりも、さらにはかないものは朝顔の花であると詠んだ歌である。朝に咲いて昼にはしぼむ朝顔の花のはかなさを、露と比べることで際立たせている。
「風を待つ」露という言い方は、『古今和歌集』のよみ人しらずの「宮城野のもとあらの小萩露を重み風を待つごと君をこそ待て」に見える、風に散らされるのを待つばかりの露を思わせる。
初句「風を待つ」は、吹き散らす風が来るのを待つばかりの、の意で、露のはかなさを示す。
二句「草の葉に置く」は、草の葉に置いたの意である。
三句「露よりも」の「よりも」は比較を表し、露と朝顔とを比べている。前の二首の葛の葉の露を受け、本歌では露をはかなさの基準としている。
四句「あだなるものは」は、本巻の第二百十九首の「あだなる野辺の」と同じ語を用い、はかないものはの意となる。
結句「朝顔の花」は体言止めで、露よりもはかない花を最後に示す。前歌までの露のはかなさが、本歌でさらにはかない朝顔へと受け継がれている。
あさがほ:朝に咲いて昼にしぼむ花。詞書の「槿」はムクゲを指す字で、古くはキキョウなどをも朝顔と呼んだ
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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秋風はあやなな吹きそ白露の あだなる野辺の葛の葉の上に
- 次の歌
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鶉鳴く古りにし里の浅茅生に 幾夜の秋の露か置きけむ