鳴きわたる雁の羽風に雲消えて
夜深き空に澄める月影
- 歌の意味
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鳴きながら渡ってゆく雁の羽ばたきの風で雲が消えて、夜更けの空に澄みわたる月の光よ。
- 鑑賞
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秋歌 227
詞書は前の歌に続き「月前雁」
鳴きながら空を渡ってゆく雁の羽ばたきの風によって雲が吹き払われ、夜更けの空に月の光が澄みわたったと詠んだ歌である。雁の羽風が雲を消すという大胆な見立てによって、月の澄んだ光を際立たせている。
賀茂真淵はこの歌に合点を付している。なお参照した底本の本文では四句の頭に欠字があり、定家所伝本の「よふかきそらに」によって補った。
初句「鳴きわたる」は、鳴きながら空を渡ってゆくの意である。
二句「雁の羽風に」は、雁が羽ばたいて起こす風にの意である。
三句「雲消えて」は、雲が消え去っての意で、羽風が雲を払ったと見立てている。前歌の第二百二十六首で雁が雲居を分けて進んだのを受け、本歌ではその羽風が雲を消している。
四句「夜深き空に」は、夜更けの空にの意である。
結句「澄める月影」は体言止めで、「る」は存続の助動詞「り」の連体形である。澄みわたる月の光を最後に示す。
はかぜ:鳥が羽ばたいて起こす風
つきかげ:月の光
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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九重の雲居を分けて久方の 月の都に雁ぞ鳴くなる
- 次の歌
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天の戸をあけがたの空に鳴く雁の 翼の露に宿る月影