- 歌の意味
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天の戸を開けるという明け方の空に鳴く雁の、その翼に置いた露に宿っている月の光よ。
- 鑑賞
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秋歌 228
詞書は前の歌に続き「月前雁」
夜明け方の空に鳴いて渡る雁の翼に置いた露に、沈みかけた月の光が宿っていると詠んだ歌である。広い空を渡る雁の、その翼の一粒の露にまで月の光を見る、細やかな見立てが光っている。
底本の注記によれば、原本では二句の「明け方」の後の「の」がなく、ここでは底本の本文に従って「の」を含めて読む。
初句「天の戸を」は、天にあるとされる戸をいい、夜が明けることをその戸を開けると見立てる。
二句「あけがたの空に」の「あけ」は、天の戸を開ける意と明け方の意を掛けた掛詞で、字余りとなる。
三句「鳴く雁の」は、明け方の空に鳴いて渡る雁をいう。
四句「翼の露に」は、雁の翼に置いた露にの意である。
結句「宿る月影」は体言止めで、露に映る月の光を最後に示す。前歌の第二百二十七首が夜更けの空いっぱいに澄む月を詠んだのに対し、本歌では翼の一粒の露に宿る月を詠み、同じ月影を広大な空と小さな露という異なる尺度で描いている。
あまのと:天にあるとされる戸
あけ:天の戸を開ける意と、夜が明ける意を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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鳴きわたる雁の羽風に雲消えて 夜深き空に澄める月影
- 次の歌
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天の原ふり放け見ればます鏡 清き月夜に雁鳴きわたる