雁がねは友まどはせり信楽や
真木の杣山霧立たるらし
- 歌の意味
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雁は友を見失ってしまった。信楽の、真木の生い茂る杣山に、霧が立ちこめているらしい。
- 鑑賞
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秋歌 234
詞書は前の歌に続き「雁をよめる」
雁が仲間を見失って迷っているのを聞き、信楽の杣山に霧が深く立ちこめているからだろうと推し量った歌である。霧の中で仲間を呼び合う雁の声に、深い山の霧の濃さを感じ取っている。
賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「雁がねは」は、雁はの意である。
二句「友まどはせり」は、仲間を見失って迷わせているの意で、「り」は存続の助動詞であり、ここで句切れとなる。
三句「信楽や」の「や」は詠嘆の間投助詞で、近江国の地名である信楽を示す。
四句「真木の杣山」は、杉や檜などの良材が茂り、木材を切り出す山をいう。
結句「霧立たるらし」の「らし」は根拠のある推定で、雁が友を見失ったことを根拠に、霧が立っているらしいと推し量る。前歌の第二百三十三首で雁がしのいだ幾重の霧が、本歌では雁の友を迷わせる霧として詠まれている。
まどはす:迷わせる、見失わせる
しがらき:近江国(今の滋賀県甲賀市)の地名
そまやま:木材を切り出すための山
まき:杉や檜など、良材となる木の総称
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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あしひきの山飛び越ゆる秋の雁 幾重の霧をしのぎ来ぬらむ
- 次の歌
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妻恋ふる鹿ぞ鳴くなる小倉山 山の夕霧立ちにけむかも