夕されば霧立ちくらし小倉山
山のとかげに鹿ぞ鳴くなる
- 歌の意味
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夕方になると、霧が立ちこめてあたりを暗くする小倉山の、その山陰で鹿が鳴いているようだ。
- 鑑賞
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秋歌 236
詞書は前の歌に続き「鹿の歌に」
夕方になり、霧が立ちこめて辺りを暗くする小倉山の山陰で、鹿が鳴いている声を聞いた歌である。暗さの中に響く鹿の声で、秋の夕暮れの寂しさを描いている。
この歌は『新千載和歌集』に入集している。「小倉山」の「をぐら」は「小暗し」に通じ、霧に暗む山のさまと響き合っている。
初句「夕されば」は本巻の第二百二十三首などと同じ初句で、夕べの景を詠み起こす。
二句「霧立ちくらし」は、霧が立ちこめて辺りを暗くするの意である。前歌の第二百三十五首で推し量った小倉山の夕霧を、本歌では立ちこめた霧として詠んでいる。
三句「小倉山」は前歌の三句と同じ山で、二首が同じ山を舞台とする。「をぐら」の音は二句の「くらし」と響き合う。
四句「山のとかげに」は、山の陰になった所にの意で、前歌の四句「山の夕霧」と同じく、三句の「山」を重ねている。
結句「鹿ぞ鳴くなる」は、係助詞「ぞ」を受けて音による推定の「なる」で結び、前歌の二句と同じ句である。
とかげ:物陰、陰になった所
たちくらす:霧などが立ちこめて辺りを暗くする
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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妻恋ふる鹿ぞ鳴くなる小倉山 山の夕霧立ちにけむかも
- 次の歌
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雲のゐる梢はるかに霧こめて たかしの山に鹿ぞ鳴くなる