朝まだき小野の露霜寒ければ
秋をつらしと鹿ぞ鳴くなる
- 歌の意味
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まだ夜の明けきらない朝、野の露霜が寒いので、秋をつらいものと思って鹿が鳴いているようだ。
- 鑑賞
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秋歌 240
詞書は前の歌に続き「鹿の歌に」
まだ明けきらない早朝、野に置いた露霜の冷たさに、秋をつらいものと嘆いて鹿が鳴いていると詠んだ歌である。鹿の声に秋の深まりの厳しさを聞き取り、鹿の心を思いやっている。
初句「朝まだき」は、まだ夜の明けきらない早朝をいう。前の二首が夜更けの鹿を詠んだのに対し、本歌では明け方の鹿を詠み、夜から朝へと時が移っている。
二句「小野の露霜」の「小野」は野のことで、「を」は接頭語である。「露霜」は露が凍って霜のようになったものをいう。
三句「寒ければ」は、寒いのでの意で、「ば」は已然形に付いて原因を表す。
四句「秋をつらしと」は、秋をつらいものだとの意で、鹿の心を推し量っている。
結句「鹿ぞ鳴くなる」は、係助詞「ぞ」を受けて推定の「なる」で結び、本巻の第二百三十八首と同じ結句である。
あさまだき:朝早く、まだ夜の明けきらないころ
つゆじも:露が凍って霜のようになったもの
をの:野。「を」は接頭語
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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さ夜更くるままに外山の木の間より 誘ふか月をひとり鳴く鹿
- 次の歌
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さを鹿の己が住む野の女郎花 花に飽かずと音をや鳴くらむ