萩が花うつろひて行けば高砂の
尾上の鹿の鳴かぬ日ぞなき
- 歌の意味
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萩の花が色あせてゆくので、高砂の峰の鹿の鳴かない日はない。
- 鑑賞
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秋歌 242
詞書は前の歌に続き「鹿の歌に」
萩の花が色あせてゆくにつれて、高砂の峰に住む鹿が鳴かない日はないと詠んだ歌である。鹿の妻とされる萩の花が衰えてゆくのを、鹿が日ごとに嘆き鳴くさまとして描いている。
類従本と定家所伝本では二句を「うつろひ行けば」とし、「て」がない。なお参照した底本の本文では二句に異文が並んで見えるため、注記に照らして「うつろひて行けば」とした。
初句「萩が花」は、萩の花をいう。萩は鹿の妻と見立てられ、鹿と取り合わせて詠まれることが多い。
二句「うつろひて行けば」は字余りで、色あせてゆくのでの意である。
三句「高砂の」は、播磨国の歌枕である高砂をいい、また高い山の意も持つ。
四句「尾上の鹿の」は、峰の上の鹿のの意である。
結句「鳴かぬ日ぞなき」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「なき」で結び、鳴かない日はないと強調する。巻第二の第百四十二首も同じ結句で、そこではほととぎすの、本歌では鹿の鳴かない日はないとし、夏と秋の鳴く声が呼応している。
うつろふ:色があせる、盛りが過ぎる
たかさご:播磨国(今の兵庫県高砂市)の歌枕。また高い山の意
をのへ:山の峰、山の頂
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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さを鹿の己が住む野の女郎花 花に飽かずと音をや鳴くらむ
- 次の歌
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朝な朝な露に折れ伏す秋萩の 花踏みしだき鹿ぞ鳴くなる