- 歌の意味
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秋萩に置く、昔をしのばせる露に袖を濡らしていると、古びた垣根のあたりで鹿が鳴いているようだ。
- 鑑賞
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秋歌 244
詞書は前の歌に続き「鹿の歌に」
昔と変わらず秋萩に置く露に袖を濡らしながら昔をしのんでいると、古びた垣根のあたりで鹿が鳴く声が聞こえてきたと詠んだ歌である。萩の露と懐旧の涙、古い垣根と鹿の声とが重なり、過ぎ去った日々への思いが深く漂っている。
初句「秋萩の」は、秋の萩をいう。
二句「昔の露に」は、昔と変わらず置く露、また昔をしのばせる露にの意である。
三句「袖濡れて」は、露に袖が濡れての意で、懐旧の涙をも思わせる。
四句「古きまがきに」は、古びた垣根にの意で、二句の「昔」と響き合い、時の流れを示す。
結句「鹿ぞ鳴くなる」は、係助詞「ぞ」を受けて推定の「なる」で結ぶ。本巻の第二百三十五首から続いた鹿の歌の一連を、この句で締めくくっている。前歌の第二百四十三首の野の萩と鹿に対し、本歌では古い宿の垣根の萩と鹿を詠み、野と宿とで対をなしている。
まがき:竹や柴などで作った目の粗い垣根
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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朝な朝な露に折れ伏す秋萩の 花踏みしだき鹿ぞ鳴くなる
- 次の歌
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鳴く鹿の声より袖に置くか露 もの思ふころの秋の夕暮