小笹原夜半に露吹く秋風を
ややさむしとや虫の鳴くらむ
- 歌の意味
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小笹の原に夜中、露を吹き散らす秋風を、少し寒いと思って虫が鳴いているのだろうか。
- 鑑賞
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秋歌 248
詞書「虫」
夜中に小笹の原の露を吹き散らす秋風を、虫たちもやや寒いと感じて鳴いているのだろうかと思いやった歌である。夜更けの秋風の冷たさを、虫の声を通して感じ取っている。
類従本と定家所伝本では結句を「虫のわぶらむ」とし、参照した底本の本文ではこの異文が本文と並んで見えるため、注記に照らして「虫の鳴くらむ」とした。
初句「小笹原」は、小さな笹の生い茂った原をいう。
二句「夜半に露吹く」は、夜中に笹の露を吹き散らすの意である。
三句「秋風を」は、虫が寒さを感じる対象としての秋風を示す。
四句「ややさむしとや」は、少し寒いと思ってかの意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「虫の鳴くらむ」は「や」の結びで、現在推量の「らむ」の連体形で結ぶ。本歌から虫の歌が始まり、本巻の第二百五十六首までこおろぎなどの虫が詠まれる。
をざさはら:小さな笹の生い茂った原
よは:夜中
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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唐衣稲葉の露に袖濡れて 物思へともなれる我が身か
- 次の歌
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庭草の露の数そふ村雨に 夜深き虫の声ぞ悲しき