ささがにの玉貫く糸の緒を弱み
風に乱れて露ぞこぼるる
- 歌の意味
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蜘蛛が玉を貫くように露をつないだ糸は、その緒が弱いので、風に乱れて露がこぼれ落ちる。
- 鑑賞
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秋歌 257
詞書「秋の野に置く白露は玉なれやといふことを人々に仰せて仕うまつらせし時よめる」
「秋の野に置く白露は玉なれや」という題を人々に命じて詠ませたときに、作者自身が詠んだ歌である。蜘蛛の糸に連なる露を玉に見立て、その糸が弱いために風に乱れて露の玉がこぼれ落ちると詠み、露のはかなさを繊細に描いている。
題は『古今和歌集』の文屋朝康の「秋の野に置く白露は玉なれや貫きかくる蜘蛛の糸すぢ」の上句で、本歌はその蜘蛛の糸に貫かれた露の玉が、風に乱れてこぼれるさまへと展開している。
初句「ささがにの」は、蜘蛛のことをいう。
二句「玉貫く糸の」は、玉を貫き通す糸のの意で、露を玉に見立てている。
三句「緒を弱み」は、糸の緒が弱いのでの意で、形容詞の語幹に「み」が付いて原因や理由を表す。「緒」は玉を貫く糸の縁語である。
四句「風に乱れて」は、風に吹かれて糸が乱れての意で、「乱れ」も糸の縁語である。
結句「露ぞこぼるる」は、係助詞「ぞ」を受けて連体形「こぼるる」で結ぶ。本巻の第二百十一首と同じ結句で、萩の下葉からこぼれた露が、本歌では蜘蛛の糸からこぼれている。
ささがに:蜘蛛
ぬく:糸などを通して連ねる
を:糸、ひも
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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野辺見れば露霜寒しきりぎりす 夜の衣の薄くやあるらむ
- 次の歌
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声高み林に叫ぶ猿よりも 我ぞもの思ふ秋の夕べは