かくてなほ堪へてしあらばいかがせむ
山田守る庵の秋の夕暮
- 歌の意味
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このままさらに耐えて暮らしていくとしたら、どうしたらよいのだろう。山田を守る仮小屋の、この秋の夕暮れを。
- 鑑賞
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秋歌 262
詞書「田家秋夕」
このままなおも耐えて住み続けるとしたら、いったいどうしたらよいのだろうと、山の田を守る仮小屋の秋の夕暮れのつらさを詠んだ歌である。耐えきれないほどの田家の夕暮れの孤独を、嘆きの言葉で強く表している。
類従本では詞書を「田家夕」とし、類従本と定家所伝本では二句に異同がある。賀茂真淵は、春の曙、秋の夕暮と言い縮めて、しきりに悲しいと思い入れて詠むのは後世の人のしわざで、作者は古風を好んだがまだそこまでは見分けられなかったのだろう、これらはまだ初めのころの歌だからであろうかと評している。
初句「かくてなほ」は、このようにしてなおもの意である。
二句「堪へてしあらば」は、耐えてこのまま過ごすとしたらの意で、「し」は強意の副助詞である。
三句「いかがせむ」は、どうしたらよいだろうかの意で、ここで句切れとなる。
四句「山田守る庵の」は字余りで、本巻の第二百四十六首の「山田守る庵」と同じ語である。
結句「秋の夕暮」は体言止めで、本巻の第二百十三首、第二百四十五首と同じ結句である。次歌の第二百六十三首、第二百六十四首も同じ結句で結ばれ、秋の夕暮れの歌が続いている。
やまだ:山あいにある田
いほ:草木で造った粗末な仮小屋
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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秋田守る庵に片敷く我が袖に 消えあへぬ露の幾夜置きけむ
- 次の歌
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眺めやる心もたへぬわたの原 八重の潮路の秋の夕暮