秋風はやや肌寒くなりにけり
ひとりや寝なむ長きこの夜を
- 歌の意味
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秋風はしだいに肌寒くなってきた。この長い夜を、ひとりで寝ることになるのだろうか。
- 鑑賞
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秋歌 267
詞書は前の歌に続き「秋の歌」
秋風がしだいに肌寒くなってきた夜、この長い秋の夜をひとりで寝なければならないのだろうかと嘆いた歌である。肌に感じる秋の寒さと、独り寝の夜の長さとを率直に重ねている。
賀茂真淵はこの歌に合点を付している。独り寝の長い夜を嘆く趣は、『拾遺和歌集』に入り『百人一首』にも採られた柿本人麻呂の「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の長々し夜をひとりかも寝む」を思わせる。
初句「秋風は」は、秋風を主題として示す。
二句「やや肌寒く」の「やや」は、しだいに、だんだんとの意である。
三句「なりにけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、ここで句切れとなる。本巻の第二百三十一首の三句と同じ句である。
四句「ひとりや寝なむ」は、ひとりで寝ることになるのだろうかの意で、「や」の結びとして「なむ」で結び、ここで再び句切れとなる。第二百三十一首の四句と同じ句で、二首が秋風の寒さと独り寝とを同じ形で詠んでいる。
結句「長きこの夜を」は、倒置によって独り寝の夜の長さを最後に示す。前歌の第二百六十六首が妻を恋う身にしみる秋風を詠んだのに続き、本歌ではその恋しさを独り寝の嘆きとして詠んでいる。
ぬ:寝る、眠る
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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玉垂れの小簾のひま漏る秋風は 妹恋ひしらに身にぞしみける
- 次の歌
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昔思ふ秋の寝覚めの床の上に ほのかに通ふ峰の秋風