ませの内に夜置く露やいかならむ
濡れつつ菊の移ろひにける
- 歌の意味
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垣根の内に夜ごと置く露はどのようなものなのだろうか。濡れ続けるうちに、菊の花は色が変わってしまったことだ。
- 鑑賞
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秋歌 294
詞書「菊を」
垣根の内の菊が、夜ごと置く露に濡れ続けるうちに、すっかり色が変わってしまったのを見て、その夜の露とはいったいどのようなものなのだろうかと詠んだ歌である。花の色を変えるほどの夜露の力に驚き、晩秋の菊の移ろいを描いている。
類従本ではこの歌を「一本及印本所載歌」の部に収める。菊は霜や露に当たって色の変わったさまも賞美され、「移ろひ菊」として詠まれた。
初句「ませの内に」は字余りで、垣根の内にの意である。前の二首の「まがき」と同じく垣根の菊を詠む。
二句「夜置く露や」の「や」は疑問の係助詞である。
三句「いかならむ」は、どのようなものなのだろうかの意で、「や」の結びとして推量の「む」の連体形で結び、ここで句切れとなる。
四句「濡れつつ菊の」の「つつ」は反復と継続で、濡れ続けての意となる。前の二首で月夜と雨に濡れた菊を受けている。
結句「移ろひにける」は、色が変わってしまったの意で、「ける」は詠嘆を込めた連体止めである。菊の三首を、色の移ろった菊で締めくくっている。
ませ:竹や木で作った低い垣根
うつろふ:色が変わる、色あせる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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露を重みまがきの菊の干しもあへず 晴るれば曇る村雨の空
- 次の歌
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佐保山のははその紅葉千々の色に 移ろふ秋は時雨降りけり