初雁の羽風の寒くなるままに
佐保の山辺は色づきにけり
- 歌の意味
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初雁の羽ばたく風が寒くなるにつれて、佐保の山辺はすっかり色づいたことだ。
- 鑑賞
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秋歌 298
詞書「名所紅葉」
初雁の羽ばたきの風が寒くなるにつれて、紅葉の名所である佐保の山辺がすっかり色づいたと詠んだ歌である。雁の渡りと紅葉という秋の深まりを告げる二つの景物を結びつけ、季節の移ろいを描いている。
賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「初雁の」は、その秋に初めて渡ってくる雁のの意で、本巻の第二百三十二首の初雁を受けている。
二句「羽風の寒く」は、羽ばたきの風が寒くの意で、本巻の第二百二十七首の「雁の羽風」と同じ語である。
三句「なるままに」は、なるにつれての意である。
四句「佐保の山辺は」は、大和国の佐保山のあたりをいい、本巻の第二百九十五首の佐保山と同じく紅葉の名所として詠む。本歌と次歌の二首が「名所紅葉」の題で詠まれている。
結句「色づきにけり」の「けり」は気づきの詠嘆である。同じ結句は次歌の第二百九十九首、第三百一首、第三百二首にも繰り返され、紅葉の深まりが重ねて詠まれている。
はつかり:その秋に初めて北から渡ってくる雁
はかぜ:鳥が羽ばたいて起こす風
いろづく:草木の葉が紅葉する
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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神無月待たで時雨や降りにけむ 深山に深き紅葉しにけり
- 次の歌
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雁鳴きて寒き嵐の吹くなべに 立田の山は色づきにけり