雁鳴きて寒き嵐の吹くなべに
立田の山は色づきにけり
- 歌の意味
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雁が鳴いて、寒い山風が吹くのにつれて、竜田の山はすっかり色づいたことだ。
- 鑑賞
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秋歌 299
詞書は前の歌に続き「名所紅葉」
雁が鳴き、寒い山風が吹くのにつれて、紅葉の名所である竜田山がすっかり色づいたと詠んだ歌である。雁の声と嵐という耳と肌の感覚によって、紅葉の深まりを捉えている。
賀茂真淵はこの歌に合点を付している。『万葉集』の「雁がねの来鳴きしなべに唐衣竜田の山はもみぢそめたり」を踏まえ、雁の訪れと竜田山の紅葉とを結んでいる。
初句「雁鳴きて」は、雁が鳴いての意で、本巻の第二百三十一首と同じ初句である。
二句「寒き嵐の」は、寒い山風のの意である。前歌の第二百九十八首の「羽風の寒く」を受け、雁の羽風から山の嵐へと風が強まっている。
三句「吹くなべに」の「なべに」は、…するにつれての意である。
四句「立田の山は」は、大和国の竜田山をいい、紅葉の名所として名高い。前歌の佐保山に続き、大和の紅葉の名所が並ぶ。
結句「色づきにけり」は前歌と同じ結句で、「けり」は気づきの詠嘆である。
あらし:山から吹き下ろす強い風
たつたのやま:大和国(今の奈良県生駒郡)の竜田山。紅葉の名所
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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初雁の羽風の寒くなるままに 佐保の山辺は色づきにけり
- 次の歌
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今朝来鳴く雁がねの寒み唐衣 たつたの山は紅葉しにけり