雁鳴きて吹く風寒み高円の
野辺の浅茅は色づきにけり
- 歌の意味
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雁が鳴いて、吹く風が寒いので、高円の野辺の浅茅はすっかり色づいたことだ。
- 鑑賞
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秋歌 301
詞書「秋の末によめる」
秋の終わりに、雁が鳴き風が寒く吹くので、高円の野辺の浅茅がすっかり色づいたと詠んだ歌である。山の紅葉に続いて、野の低い草までもが色を変える晩秋の景を捉えている。
賀茂真淵はこの歌に合点を付している。
初句「雁鳴きて」は、本巻の第二百九十九首と同じ初句で、次歌の第三百二首も同じ初句で始まり、三首が雁の声で詠み起こされている。
二句「吹く風寒み」は、吹く風が寒いのでの意で、形容詞の語幹に「み」が付いて理由を表す。
三句「高円の」は、大和国の高円山をいい、本巻の第百八十二首の「高円の尾上の宮」と同じ地である。秋部の初めに秋の初風の吹いた高円で、本歌では野の浅茅が色づいており、秋の初めと終わりとが同じ地で呼応している。
四句「野辺の浅茅は」は、野原に生える丈の低い茅をいう。前の二首の山の紅葉に対し、本歌では野の草の色づきを詠む。
結句「色づきにけり」は、本巻の第二百九十八首、第二百九十九首と同じ結句で、「けり」は気づきの詠嘆である。
たかまど:大和国(今の奈良市)の高円山
あさぢ:丈の低い茅
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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今朝来鳴く雁がねの寒み唐衣 たつたの山は紅葉しにけり
- 次の歌
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雁鳴きて寒き朝明の露霜に 矢野の神山色づきにけり