長月の有明の月の尽きずのみ
来る秋ごとに惜しき今日かな
- 歌の意味
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長月の有明の月という名のように、尽きることもなく、めぐって来る秋ごとに、秋の終わる今日が惜しまれることだ。
- 鑑賞
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秋歌 304
詞書「惜秋といふ事を」
過ぎゆく秋を惜しむという題で詠んだ歌である。長月の有明の月の「月」から「尽き」を導き、めぐってくる秋ごとに尽きることなく、秋の終わる今日が惜しまれると詠んでいる。
なお参照した底本の本文では四句の頭に欠字があり、定家所伝本の「くるあきことに」によって補った。
初句「長月の」は、陰暦九月のの意で、秋の最後の月を示す。
二句「有明の月の」は字余りで、夜明けの空に残る月をいう。前歌の第三百三首の「有明の月」を受けている。
三句「尽きずのみ」は、二句の「月」から同じ音の「尽き」を導き、尽きることなくの意となる。初句と二句が序詞の働きをしている。
四句「来る秋ごとに」は、毎年めぐって来る秋のたびにの意である。
結句「惜しき今日かな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、秋の終わる今日が惜しいことだと結ぶ。次歌の第三百五首も「今日」の秋の別れを詠み、二首が並んでいる。
ながつき:陰暦九月
つく:尽きる、終わる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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はかなくて暮れぬと思ふをおのづから 有明の月に秋ぞ残れる
- 次の歌
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年ごとに秋の別れはあまたあれど 今日の暮るるぞわびしかりける