- 歌の意味
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吉野川に紅葉の葉が流れている。滝のほとりの御船の山に、嵐が吹いているらしい。
- 鑑賞
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冬歌 317
詞書は前の歌に続き「初冬の歌の中に」
吉野川を紅葉した葉が流れてくるのを見て、上流の滝のほとりにある御船の山に嵐が吹いているのだろうと推し量った歌である。目の前の流れる紅葉から、見えない山の嵐を思いやっている。
賀茂真淵はこの歌に合点を付している。『古今和歌集』のよみ人しらずの歌「竜田川もみぢ葉流る神奈備の三室の山に時雨降るらし」と同じ組み立てで、場所を吉野に移している。また「滝の上の御船の山」は『万葉集』に見える言い回しである。
初句「吉野川」は、大和国の吉野を流れる川で、歌枕である。
二句「紅葉葉流る」は、紅葉した葉が流れてくるの意で、ここで句切れとなる。
三句「滝の上の」は、吉野川の宮滝のあたりをいう。
四句「御船の山に」は、吉野の宮滝の近くにある山をいう。
結句「嵐吹くらし」の「らし」は根拠のある推定で、流れてくる紅葉を根拠に山の嵐を推し量る。本巻の第三百十九首、第三百二十一首も「らし」の推定で、目の前の景から見えないところを思いやる歌が続く。
もみぢば:紅葉した葉
みふねのやま:大和国吉野の宮滝付近の山。三船山とも書く
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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春と言ひ夏と過ぐして秋風の ふきあげの浜に冬は来にけり
- 次の歌
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初時雨降りにし日より神奈備の 杜の梢ぞ色まさりゆく