- 歌の意味
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三室山では紅葉が散っているらしい。神無月の今、竜田川には錦を織って掛けたように紅葉が流れている。
- 鑑賞
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冬歌 319
詞書は前の歌に続き「初冬の歌の中に」
神無月、竜田川に紅葉が錦を織り掛けたように流れているのを見て、上流の三室山で紅葉が散っているのだろうと推し量った歌である。川面の紅葉を錦に見立て、色鮮やかな初冬の景を詠んでいる。
『古今和歌集』のよみ人しらずの歌「竜田川もみぢ葉流る神奈備の三室の山に時雨降るらし」を踏まえ、竜田川と三室山という同じ取り合わせを用いている。
初句「三室山」は、大和国の竜田川のほとりにある山で、前歌の「神奈備」と同じあたりの歌枕である。
二句「紅葉散るらし」の「らし」は根拠のある推定で、ここで句切れとなる。本巻の第三百十七首の「嵐吹くらし」と同じく、川を流れる紅葉から山のさまを推し量っている。
三句「神無月」は、陰暦十月をいう。次歌の第三百二十首、第三百二十一首も同じ「神無月」で始まる。
四句「竜田の川に」は、大和国の紅葉の名所である竜田川をいう。
結句「錦織りかく」は、川面一面の紅葉を、錦を織って掛け渡したものに見立てている。
みむろやま:大和国の竜田川のほとりにある山。神奈備山とも
かみなづき:陰暦十月
おりかく:織って掛け渡す
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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初時雨降りにし日より神奈備の 杜の梢ぞ色まさりゆく
- 次の歌
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神無月時雨降ればか奈良山の 楢の葉柏風にうつろふ