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神無月時雨降るらし奥山は
外山の紅葉今盛りなり

歌の意味
神無月、奥山では時雨が降っているらしい。人里近い外山の紅葉は、今が盛りである。
鑑賞
冬歌 321

詞書は前の歌に続き「初冬の歌の中に」
 人里近い外山の紅葉が今盛りなのを見て、奥山では時雨が降っているのだろうと推し量った歌である。時雨が紅葉を染めるという考えにもとづき、奥山と外山を対比させている。

 初句「神無月」は、前歌と同じ初句である。本巻の第三百十九首の三句から三首続けて「神無月」が詠まれる。
 二句「時雨降るらし」の「らし」は根拠のある推定で、ここで句切れとなる。
 三句「奥山は」は、二句の「時雨降るらし」の主となる場所を後から示す倒置である。
 四句「外山の紅葉」は、三句の「奥山」と対になり、人里近い山の紅葉をいう。
 結句「今盛りなり」は、外山の紅葉が今まさに盛りであると言い切る。

おくやま:人里から遠い奥深い山
とやま:人里近くの山
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
神無月時雨降ればか奈良山の 楢の葉柏風にうつろふ
次の歌
下紅葉かつはうつろふ柞原 神無月とて時雨降れてへ