- 歌の意味
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柞原では、下葉の紅葉が一方ではもう色あせ散っている。神無月だからといって、時雨よ降れと言っているようだ。
- 鑑賞
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冬歌 322
詞書は前の歌に続き「初冬の歌の中に」
柞の木の生えた原で、下葉の紅葉が一方ではもう色あせ散っているのを見て、神無月だから時雨よ降れと言っているかのようだと詠んだ歌である。結句の「てへ」は「と言へ」の縮まった形と見られ、意味の取りにくい一首である。
底本の注記によれば、原本と定家所伝本では四句を「神無月して」とし、類従本と定家所伝本では結句を「時雨降れりてへ」とする。ここでは底本の本文に従う。
初句「下紅葉」は、木の下の方の葉が色づいたものをいう。
二句「かつはうつろふ」の「かつは」は一方ではの意で、下葉が一方では色あせ散っていることをいう。
三句「柞原」は、楢や櫟などの柞の木の生えた原をいい、ここで句切れとなる。
四句「神無月とて」は、神無月だからといっての意である。本巻の第三百十九首から続く「神無月」の歌の四首目にあたる。
結句「時雨降れてへ」の「てへ」は「と言へ」の縮まった形と見られ、時雨よ降れと言うの意となる。
したもみぢ:木の下の方の葉が紅葉すること、またその葉
ははそはら:楢や櫟などの柞の木の生えている原
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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神無月時雨降るらし奥山は 外山の紅葉今盛りなり
- 次の歌
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神無月木の葉降りにし山里は 時雨にまがふ松の風かな