降らぬ夜も降る夜もまがふ時雨かな
木の葉の後の嶺の松風
- 歌の意味
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時雨の降らない夜も降る夜も、同じように時雨と聞き違えてしまうことよ。木の葉の散った後の、峰を吹く松風の音は。
- 鑑賞
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冬歌 324
詞書は前の歌に続き「松風似時雨」
木の葉の散った後の峰を吹く松風は、時雨の降らない夜も降る夜も、時雨の音と紛れて聞こえると詠んだ歌である。前歌と同じく松風を時雨と聞き違える題意を詠み、降る夜と降らない夜を対にして、松風の音が時雨と変わらないことを強めている。
この歌は『新後拾遺和歌集』に入集している。
初句「降らぬ夜も」は、時雨の降らない夜もの意で、二句と対になる。
二句「降る夜もまがふ」は、降る夜も時雨と紛れるの意である。前歌の四句「時雨にまがふ」を受けている。
三句「時雨かな」の「かな」は詠嘆で、ここで句切れとなる。下の句が何の音であるかを後から示す倒置の構成となっている。
四句「木の葉の後の」は、木の葉が散り尽くした後のの意である。
結句「嶺の松風」は体言止めで、時雨と紛れる音の正体を最後に示す。前歌の結句「松の風かな」と対応している。
まがふ:入り混じって見分けがつかなくなる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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神無月木の葉降りにし山里は 時雨にまがふ松の風かな
- 次の歌
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流れゆく木の葉の淀むえにしあれば 暮れての後も秋は久しき