流れゆく木の葉の淀むえにしあれば
暮れての後も秋は久しき
- 歌の意味
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流れていく木の葉が淀む入り江があるので、その縁で、秋が暮れてしまった後も、秋はなお久しくとどまっている。
- 鑑賞
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冬歌 325
詞書「水上落葉」
水の上の落葉という題で詠んだ歌である。流れていく木の葉が入り江に淀んでいるのを見て、その縁によって、暦の上で秋が暮れた後もそこには秋が長くとどまっていると詠む。冬になっても残る紅葉に、去った秋の名残を見ている。
類従本ではこの歌を秋部に収め、下の句を「暮れての後は秋も久しき」とし、定家所伝本では「暮れての後も秋の久しき」とする。
初句「流れゆく」は、川を流れていく木の葉をいう。
二句「木の葉の淀む」は、流れてきた木の葉が水の流れずにとどまる所にたまっていることをいう。
三句「えにしあれば」は字余りで、「えにし」は入り江の意の「江」と、縁の意の「えにし」を掛けた掛詞である。
四句「暮れての後も」は、秋が暮れてしまった後もの意である。
結句「秋は久しき」は形容詞の連体形で結び、余情を残している。本巻の第三百十二首で「秋は去ぬ」と言い切った秋が、ここでは淀む木の葉の中に久しく残っている。
よどむ:水が流れずにとどまる
えにし:入り江の意の「江」と、縁の意の「えにし」を掛ける
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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降らぬ夜も降る夜もまがふ時雨かな 木の葉の後の嶺の松風
- 次の歌
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難波潟葦の葉白く置く霜の 冴えたる夜半に鶴ぞ鳴くなる