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花すすき枯れたる野辺に置く霜の
むすぼほれつつ冬は来にけり

歌の意味
花すすきの枯れた野辺に置く霜が凍りつくように、心もふさぎ晴れないまま、冬がやって来たことだ。
鑑賞
冬歌 329

詞書「野霜」
 野の霜という題で詠んだ歌である。穂の出たすすきの枯れた野辺に置く霜が凍りつくように、心もふさいで晴れないまま冬がやって来たと詠む。野の景色と晴れない心とを「むすぼほる」の一語で重ねている。
 類従本では詞書を「野霜といふ事を」とする。

 初句「花すすき」は、穂の出たすすきをいう。
 二句「枯れたる野辺に」は、すすきの枯れた野原にの意である。
 三句「置く霜の」までの上の句は、四句の「むすぼほれ」を導く序詞の働きをしている。
 四句「むすぼほれつつ」の「むすぼほる」は、霜が凍りつく意と、心がふさいで晴れない意を掛けた掛詞である。「つつ」は継続を表す。
 結句「冬は来にけり」は、巻頭の第三百十二首から第三百十六首までと同じ結句で、霜の歌の中で再び冬の訪れを詠んでいる。

はなすすき:穂の出たすすき
むすぼほる:霜や露が凍りつく意と、心がふさいで晴れない意を掛ける
作者
源実朝
出典
金槐和歌集
前の歌
東路の道の冬草枯れにけり 夜な夜な霜や置きまさるらむ
次の歌
烏羽玉の妹が黒髪うちなびき 冬深き夜に霜ぞ置きける