片敷きの袖こそ霜に結びけれ
待つ夜更けぬる宇治の橋姫
- 歌の意味
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独り寝の片敷きの袖に、霜が凍りついていることだ。待つうちに夜の更けてしまった宇治の橋姫は。
- 鑑賞
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冬歌 332
詞書「冬の夜」
冬の夜という題で詠んだ歌である。来ない人を待つうちに夜が更け、宇治の橋姫が独り寝に敷いた片袖に霜が凍りついていると詠む。宇治の橋姫の伝説を背景に、待つ女の寂しさと冬の夜の冷たさを重ねている。
『古今和歌集』のよみ人しらずの歌「さむしろに衣かたしき今宵もや我を待つらむ宇治の橋姫」を本歌とする。本歌では男が自分を待っているだろうと思いやった橋姫を、この歌では霜の置く冬の夜に待ち続ける姿として描いている。
初句「片敷きの」は、衣の片袖だけを敷いて独り寝することをいう。次歌も同じ「かたしきの袖」で始まる。
二句「袖こそ霜に」の「こそ」は係助詞で、三句で結ぶ。
三句「結びけれ」は「こそ」を受けて「けり」の已然形「けれ」で結び、ここで句切れとなる。霜が袖に凍りついていることをいう。
四句「待つ夜更けぬる」は、人を待つうちに夜が更けてしまったの意である。
結句「宇治の橋姫」は体言止めで、霜に袖を凍らせて待つ人を最後に示す倒置の構成である。
かたしく:自分の衣の片袖だけを敷いて独り寝する
はしひめ:宇治橋を守る女神。恋人を待つ女性として詠まれる
- 作者
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源実朝
- 出典
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金槐和歌集
- 前の歌
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夜を寒み川瀬に浮かぶ水の泡の 消えあへぬ程に氷しにけり
- 次の歌
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片敷きの袖も凍りぬ冬の夜の 雨降りすさむ暁の空