- 歌の意味
- 独り寝の片敷きの袖までも凍ってしまった。冬の夜の雨が降りしきる、明け方の空よ。
- 鑑賞
-
冬歌 333
詞書は前の歌に続き「冬の夜」
冬の夜の雨が降りしきる明け方、独り寝の片敷きの袖までも凍ってしまったと詠んだ歌である。前歌が霜で袖を凍らせたのに対し、本歌では雨に濡れた袖が凍り、夜明けまで眠れずにいた独り寝のつらさがにじむ。
初句「片敷きの」は、前歌の初句と同じ語で、独り寝の袖を詠み継いでいる。
二句「袖も凍りぬ」の「ぬ」は完了の助動詞で、ここで句切れとなる。前歌で霜が結んだ袖が、ここでは凍りついている。
三句「冬の夜の」は、冬の夜に降る雨をいう。
四句「雨降りすさむ」は、雨が激しく降りしきるの意である。
結句「暁の空」は体言止めで、眠れずに迎えた夜明け前の空を示す。前歌の「待つ夜更けぬる」夜が、本歌では暁に至っている。
ふりすさむ:雨や雪が激しく降りしきる
あかつき:夜明け前のまだ暗いころ
- 作者
- 源実朝
- 出典
- 金槐和歌集
- 前の歌
- 片敷きの袖こそ霜に結びけれ 待つ夜更けぬる宇治の橋姫
- 次の歌
- 葦の葉は沢辺もさやに置く霜の 寒き夜な夜な氷しにけり